仕事を円滑に進める方法

「突き詰め型人間」が仕事において困ることとその対応・対策【全26】

仕事中のビジネスマン

突き詰め型人間」とは、常に一つのことに集中し、それを突き詰めていく性質を持つ人々のことを指しています。
興味関心への探究心が強く、高い集中力をもって対象を深掘りしていき、理論構築を進めていくことが行動原理となっています。
そのため、突き詰め型人間はその才能を活かせる仕事に就くことによって、高いパフォーマンスを発揮することができます。
しかしながら、その独特の性質から人間関係をスムーズに構築することを苦手とする傾向にあり、そのことが職務の遂行に影響を与えてしまいがちであることも、特徴の一つです。
そこで、突き詰め型人間が仕事において困りがちなことと、その対応方法や対策を、以下にて具体的にご説明します。

「突き詰め型人間」が社会性を高めるためには

突き詰め型人間」は、本人に他意はなくとも、何を考えているかわからない、少々取っつきにくい、という印象を与えることがあるようです。
それによって、ときには職場内で敬遠されてしまったり、仕事の進行に支障が出てしまうこともあります。

 

そのため、より明るく爽やかで他者に気遣える人、という印象を増していくよう、意図的に努めていった方が、自分も周囲もお互いに気持ち良く対応でき、仕事をしていく上でプラスになるといえるでしょう。
それは、自分の特性を押し殺したり、他者に迎合しなければならないということではありません。
人に対する優しさであると捉えてください。
人の気持ちを考えて気遣える、他者を尊重できる人というのは、同じように相手からも敬意を得られる人間です。

突き詰め型人間がコミュニケーション力を上げるために必要なことは、「自分の中に対応パターンを蓄積していくこと」これに尽きます。
「このようなときは、このようにすると上手く処理できる」
「他の人は概ねこのように考えているので、このように返すと物事がスムーズに進行する」
「このような言葉を発したり行動を取ると、好感度が高い」
といった「パターン」を、いくつも自分の中に持っておき、都度そのシーンにふさわしい引き出しを開けて対応することです。
ときには2つ以上の引き出しを開けて、組み合わせて使用する場合もあるでしょう。

思うようには上手くいかないこともあるかも知れません。
しかし、試行錯誤しながら経験を積み重ねることで、感覚をつかんでいくことができます。
「こういうときは、こうしたらこうなる」その検証を一つずつ重ねていくことで、自分の中に対応の型が蓄積されていきます。
地道な作業ですが、その一つひとつが必ず実になりますので、長い目で見て続けていきましょう。

 

「突き詰め型人間」が困ったときの基本的対応パターン

ビジネスの現場で管理人が実際に経験した、「突き詰め型人間」の特性による困ったことおよびその対応パターンを、以下の通りピックアップしました。
ぜひ、参考にしてみてください。

フォーカスする、集中力が高い

一つのことに集中すると周りが見えなくなる

  • フロアの電話が鳴りっぱなしなのに、放置していないでしょうか。
  • 誰かが困っているのに、スルーしていないでしょうか。
  • 人の都合を顧みず、遠慮なく話しかけてはいないでしょうか。
  • 人通りの邪魔になってしまうような場所に留まって、作業に集中してしまってはいないでしょうか。

職場では「自分は一つのことに集中してその他のことが見えなくなりやすい」ことを意識して、周囲の様子を把握するよう努めてください。
完璧でなくても、心がけるだけで相当違います。
自分一人の仕事に没頭しすぎて周囲の状況を全く把握していないと、そのつもりがなくても、自己中心で非協力的な印象を周囲に与えてしまいます。
集中力が高いのは良いことですが、周囲にも気を配って、助け合うことを心がけてください。
以下のように意識をしてみると効果的です。

  1. 目の前の仕事(個人)というよりは目の前の職場(チーム)に集中する
  2. 「自分は全体の中の一つのパートを担当している」という前提で行動する


並行作業(マルチタスク)が非常に苦手

テクニックとしては、「目の前の作業に集中すること」を細かいインターバルで切り替えることにより、並行作業しているように見せることができます。
以下のシーン別対応パターンを参考にしてみてください。

食事の付き合いが苦手

食事の付き合いというのは、突き詰め型人間にとって非常に負担が大きいものです。
食事と会話をバランス良く行うだけでも神経を使う上に、特に目上の人と同席する場合、テーブルの上や全体の流れにまで気を配る必要があります。
また、突き詰め型人間は概して感覚過敏なため、騒がしい場所に置かれることが苦痛な場合も多いと思います。

そのため、無理をして参加をする必要はないと思います。
就業時間中にきちんと仕事をして、また相応のコミュニケーションを取っていれば、何も問題はありません。
ランチや飲み会が過剰なストレスになって仕事に支障が出てしまっては、元も子もありません。

もしできるようなら、周囲とのコミュニケーションや、勉強にもなりますので、参加することはお勧めします。
以下記事の項目2-7「仕事関係の飲み会や食事会はテクニックで乗り切る」にて詳しくご説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。


人の目を見ながら話すと、頭の中を整理しながら話すのが難しい

自分が話をするときは、基本的に目線を外していても構いません。
キリの良いタイミングで時折相手と目を合わせれば、不自然ではありません。

 
相手の目を見たりうなづいたりといった動作に気を取られると、話の内容が飛んでしまうことがある

たまには書類に目を落としたり、目線を外して考えているようなそぶりをしたりすることで、力を分散させて構いません。
一つの動作に力み過ぎないようにしながら、話の内容を拾うことに注力しましょう。


PCで作業しながら会話するのが苦手

PCでの作業は集中力が高まりやすい反面、集中力を削がれるとなかなか作業が進まないものです。
そこで、作業中に話しかけられた場合は、一旦作業を止めて、話しかけてきた人と体ごと向き合って、その対応に集中しましょう。
立て続けに話しかけられて時間を取られそうな場合は、先にやらなければならない仕事があることを伝えた上で、お互いのスケジュールを照らし合わせて、改めて話をする時間を決めましょう。
周囲に「ながら作業はしない人」だと思われるようにすれば、気軽に話しかけられることも減るでしょう。

 
情報処理が追い付かなくなるとフリーズしたりパニックになる

忙しいときや時間に追われているときこそ、落ち着いて一つひとつの動作を丁寧に、確実に行うことに集中してください。
焦ってしまうと、できない並行作業をやろうとして途端に作業が雑になり、あまつさえ失敗して結果的に余計な手間がかかってしまいます。

頭の中がすっかり混乱してしまった場合は、とりあえず一旦席を外して、深呼吸で気を落ち着けてから戻りましょう。
一度リセットしてから改めて取りかかった方が、焦って失敗するより建設的です。

 
挨拶するタイミングを掴むのが苦手

私は、挨拶したり声をかけたりするタイミングがよくわからず、内心困っているということがよくあります。
相手と自分しかおらず、相手が自分を待ち構えている状況(面接や商談など)であればわかりやすいのですが、例えば他の作業をしている人のところへ途中から参加したり、相手が複数人いたり、自分も別の作業をしたりしていると、挨拶という作業をどこへ挟めばいいのかがわからないのです。

こういった場合は、思い切って、声をかけてしまいましょう。
「挨拶もしないのか」と思われることの方がマイナスだからです。
結果的に同じ人に二度声をかけてしまっても構いません。
あるいはタイミングが悪かったとしても、「お忙しいところ失礼しました」と言えば良いのです。


何を考えているかわからないと言われる(意図して表現しないと無表情、棒読みになりがち)

四六時中は難しくても、意識できるときはなるべく口角を上げて柔和な表情を心がけ、人と目があったら微笑み返しましょう。
人にかける言葉には、喜びや感謝の気持ちを込めましょう。
それを嫌がる人はいません。

人に良い印象を与える振る舞いのコツは、以下の記事を参考にしてみてください。


一つのことが気になるとそのことばかり考えて追究し続けたい

仕事の時間が来たら他のことは一旦手放して、持ち前の集中力は目の前の職場に注ぎ込みましょう。
それから、目の前にある仕事を丁寧に行うのはもちろん良いことですが、意識して職場全体の状況やスケジュールを大切にしてください。

 

途中から入ってきた仕事に気を取られてしまう

「その仕事を依頼してきた人の期待に応えたいから」「よりやりがいがありそうで魅力的な仕事だから」などの理由で、その時にしていた仕事を置いて、新しく入ってきた仕事に集中力をシフトさせてしまうことはないでしょうか。
これは、突き詰め型人間が興味の対象を突き詰めたがる性質を持ち、また目の前の仕事に集中しやすいがためにやってしまいがちな、効率の良くない仕事の仕方です。

仕事は入ってきた順番に片付けるのが基本です。
時には当日処理を急ぐ案件が舞い込むこともありますが(主にミスやトラブルの対応は最優先事項です)、その日のうちに終わらせなければならない仕事というのはそう数多くないと思います。
そのため、仕事をしているときに別の新しい仕事が入ってきたとしても、先に着手していた仕事を終わらせることを優先します。
そうしなければ、全ての仕事が中途半端な状態のままなかなか進まず、また、どの仕事にどれだけの時間を費やしているのかもわからなくなってしまいます。
次の仕事に早く取りかかりたいのならば、今着手している仕事を早く終わらせることです。

私の場合は、「この日(あるいはこの日からこの日まで)は◯◯に取り組む」といった大方の配分を、月および週単位で事前に決めておきます。
もちろん突発的なことが色々と起こるので予定変更になる場合も多いですが、基本はその日の「メインテーマ」にフォーカスしようとするため、「色々なことに手をつけて結局どれも進んでいない」ということにはなりません。

また、スケジュール帳(アプリでも手帳でも構いません)には、予定だけでなく実際に何をしたのかまで残しておくと、どのような仕事にどれだけの労力と時間がかかるのかが、感覚的にわかるようになっていきます。

大切なのは、漫然とではなく、自律的に仕事をしようとする意識です。
それによって、集中力の高さという特性を最大限に生かして、生産性を向上させることができます。

  • 仕事は古いものから順に、一つずつ確実に終わらせること
  • 集中して取り組むことで、一つの仕事にかける時間をなるべく短くするよう努めること
 

物事を理解するプロセスが人と異なる

突き詰め型人間とそうでない人の視野の違いを例えるとすれば、「望遠レンズの倍率が違う」と考えていただけるとわかりやすいかと思います。
例えば同じ月を見ているとしても、大多数の人は「丸くて白いものが見える」といい、かたや突き詰め型人間は「何か凸凹している(月面のクレーターを見ている)」というのです。
これでは、同じものを見ているはずが、全く別のものを見ているようで、話が噛み合いません。

このような特性から、突き詰め型人間が物事の全体像を把握するためには、仔細な情報を繋ぎ合わせて構築していく必要があります。
そのため、初速は遅いのですが、最終的には深い理解を得られるということが多いのではないでしょうか。

こういった思考プロセスや能力の違いというのは表面的にはわからないため、突き詰め型人間が他の人と同じことを理解したり学習したりしようとする際には、理解力が足りなかったり、要領が悪いように思われることがあるかも知れません。
それでも、わかったフリをしてわからないことをそのままにしたりせず、納得のいくまで調べたり練習したりしましょう。
人に質問をすると、「そんなこともわからないのか」と思われる可能性もありますが、それは構いません。
人の邪魔をしたり迷惑にならないよう気を配りながら、質問したり教えて貰ったりしましょう。

そのうちに自分の中で情報が有機的に繋がり始めたとき、急速に理解が進み、ある時点から高いパフォーマンスを発揮することができるようになるでしょう。
そのことが大事なのであって、過程では努力することに注力してください。
周囲を気遣うことは必要ですが、自分を卑下する必要はありません。

 

話の趣旨や質問の意図がつかめず、どのように受け取ったり返したりするのが適切なのか逡巡してしまう

前項のような理由から、相手の話について、個々の言葉の意味はわかっても、その言葉の集まりによって何を表現しているのか、どういった回答を求められれているのかが、判断できないことがありました。
特に、婉曲表現を使われるとわかりにくいのです。
そのため、次の動作の取りようがなくフリーズしてしまったり、会話が滞ってしまうことがありました。

しかし、何も言葉を返さないと、話を聞いていないのか機嫌を損ねているのかと、相手から怪訝に思われてしまいます。
仕事は連携プレーです。
お互いが何を目的としてどう行動するのか、共通認識を持って進めていく必要があります。
そのため、「恐れ入りますが◯◯という解釈で合っていますでしょうか?」「お手数ですがもう一度説明をお願いできますでしょうか」など、何かしらレスポンスをして、きちんと会話をするようにしましょう。

また、後でじっくりと、図や文章を用いて整理するなどして、話の内容を構造的に理解することに取り組みましょう。
ある一定の概念を一つひとつ自分の中にインストールし、それらを蓄積していくことで、人の話がスピーディに理解できるようになっていきます。
さらに、こういった日頃の会話から想定して、されるかも知れない質問に対するまとまった回答を準備しておく習慣をつけましょう。
このように「他者との共通概念」と「対応パターン」を意識的に増やしていくことによって、スムーズに会話を運ぶことができるようになります。

 

時事情報を上手く収集するのが苦手

新聞や雑誌などの紙媒体からバランス良く情報を得ることができない

私は、紙媒体(新聞や雑誌等)を要領良く読むことができません。
一つひとつの項目やページを前から順番に熟読しようとしてしまうため、最後までたどり着けないのです。

そのため時事情報を知るためには、主にニュース配信アプリやSNSのニュースアカウントを利用しています。
ひとつ一つの記事が短く、またカテゴリーごとにまとまっているため、読みやすいです。
新聞社や通信社のニュース速報はネットの方が早いですし、新聞が読めなくても、私はこの方法で特に困ったことはありません。

ただし、辞書のように、最初から最後まで通して読むためではなく必要に応じて情報をピックアップするための書籍や、図鑑のように、紙面で見開きの方が見やすい内容のものに関しては、紙媒体を活用しています。(例えば四季報や図解の多い解説書など)
また、ご自身の職業に応じて、業界紙に目を通されるのも有益かと思います。

 
テレビのニュースに感情移入してしまったり音が堪えるので余り見たくない

ニュースにはネガティブな内容のものもあります。
それを情報として知っておきたくても、テレビを介して映像と音声という形で受け取ると、どうしても影響を受けてしまいやすいため、毎日朝晩とは見ていません。

無理をして毎日ニュースを見る必要はないと思います。
むしろ、マスメディアの情報は漫然と浴びるのではなく、意識して必要な分だけを取り入れるようにした方が良いと思います。
テレビのニュースは、時間がないときにサッとトピックスを知るには便利です。
情報に振り回されず、あくまで自分の考えを構成するための材料の一つとして、主体的に利用しましょう。

簡単に手に入る情報については、信ぴょう性を疑うことも必要です。
価値が高いのは、自分自身の行動によって現場で知り得た情報です。
そして最も大切なことは、情報そのものではなく、「なぜ今、世の中はそのような状況なのか」「そして自分はそういう世の中へどのように介在していくのか」ということを考え、次の行動へ繋げることです。

 

こだわりが強い

完璧主義で、手間を惜しまず細かいところまでこだわってやる

基本的には良いことですが、スケジュールや納期は厳守してください。

 

自分の理論に従って忠実に行動する(論理的整合性が行動の基本)

自分の信念を持って行動することは大切です。
ただしそれを人に押し付けないようにしましょう。

 

理解や納得ができないと行動することができない(スイッチが入ればむしろ行動せずにはいられない)

例えば転職直後で新しい仕事を始めるときなど、まだ理解できていないところがあると非常に気になったり不安だったりする気持ちはわかりますが、仕事というのはそういうことが多いです。
ひとりの新入社員を中心にして職場を回すわけにはいかないので、少し堪えて、走らせながら覚えてください。
いずれ自分の手順を大切にできるようになります。

 

生活の全てに自分の手順があるため、団体行動が非常に苦手

たまのことでしたら、我慢すべきときもあるでしょう。
ただ、団体行動がメインの仕事でしたら精神的に辛いと思いますので、転職を検討された方がよろしいかと思います。

 

こだわりのあることを説明させると、水を得た魚のように話し出す

相手の反応を見て、話の内容やスピードを調節しましょう。
相手からすれば興味のないことや、理解できないことを延々と話し続けていないか、今一度自分を客観的に見てみましょう。

 

一般常識レベルの知識について知らなかったりする

最新のニューストピックスについて話題に上がったら、相槌が打てるくらいの情報収集は、日常的に行いましょう。
最初は面倒に思うかも知れませんが、習慣になれば簡単です。
一つひとつの話題にそこまで詳しくなる必要は無いからです。

マスの情報は、ツールの一つです。
巷でどのような情報が流れているのかを把握しておくことで、人とのコミュニケーションで活用したり、社会に対する自分のコミットの仕方を検討するための材料とすることができます。


他の人が関心や愛着を持つようなことに対して、全く無関心だったりする

自分も一緒に好きにならなければならないことはありませんが、人が大切にしているものを否定してはいけません。
自分との価値観の違いに興味を持ってみましょう。
人は概して、人から興味を持たれることを喜んでくれます。

 

論旨のない会話(雑談、世間話)が億劫

世間話というのは、会話の内容そのものに意味があるのではなく、こんにちは、こんばんは、といった挨拶の延長のようなもので、人とコミュニケーションを取るためのツールだと割り切ってください。
長々と話す必要はなく、サラッと感じの良い印象を残すことが目的です。
雑談が上手にできるようになると、コミュニケーション力がアップします。

以下記事の項目2-3「『雑談力』を身に着けてイニシアティブを握る」にて、雑談にふさわしい話題などについて詳しくご説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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真面目、正直

以下の項目は、とっさに判断するのは難しいかも知れませんが、経験と心がけによって徐々にわかるようになってきます。
大切なのは、心がけを始めることです。

悪気はないが言わなくていい正論を言ってしまうことがある

突き詰め型人間は、正論を譲らないことが多いのではないでしょうか。
自らの信念を持つことは大切です。
しかし、正論や真実は、時に人を傷つけることや、物事の進行を妨げることがあります。
言わなくてもよいタイミングでそれを振りかざす必要はありません。
言葉を発するときは、何のためにその必要があるのかを、考えてから行動することを心がけましょう。

理詰めで人の心は動きません。
もし自分だったら、どのような言い方をされたら受け入れやすいか、相手の立場に立って気持ちを想像してみてください。
人それぞれのバックグラウンドがあり、状況も様々です。
今、目の前の相手に伝えるにはどのような言い回しが効果的なのか、試行錯誤する習慣をつけましょう。

このとき、口調にも気をつけるようにしましょう。
自分ではニュートラルに事実を述べているだけのつもりであっても、人からすると、冷たく責めているように聞こえることもあるようです。
できるだけソフトな話し方を心がけてください。
印象の良い話し方については、以下の記事を参考にしてみてください。


基本的に嘘がつけない

誠実さはそのままで良いですが、言わなくて良いことにまで言及して、わざわざ損をする必要はありません。
前項の正論と同様に、何でも率直に言ってしまうのではなく、言葉を発するときは状況を鑑みて、その必要性を考慮してからにしてください。
それは自分を抑圧するということではなくて、自分と人を守るための知恵であり、優しさです。

 

決まりを守ろうとする

突き詰め型人間は、最初に決められたことを遵守しようとする傾向があります。
それは例えるならば、プログラミングに従うような感覚です。
とはいえ、仕事や物事はすべて、ある程度臨機応変に対応する必要のあることが多いです。
決まりごとにはそれなりの理由があり、生産性や効率性を保つうえで有用だからこそあるのだと思います。
それであれば、状況によってそれを改変する必要もあるわけです。
ただやみくもに決まりを遵守するのではなく、なぜそのような決まりがあるのかを一考し、ときには自らそのプログラミングを書き換えるといった、能動的な行動を意識しましょう。

 

人が好きになれない、人間関係が苦痛

突き詰め型人間は、「良い塩梅で」「グレーゾーン」が苦手であり、これは、人間関係にも言えることです。
いちいち誠実に、目の前の人と真剣に向き合おうとします。
そして、わかり合えないことに真面目に傷ついて、心のシャッターを下ろしてしまったりします。
しかし、これは突き詰め型人間に限った話ではありませんが、本当にわかりあえる人間関係など、一生のうちでいくつも持てるわけではありません。
仕事で出会う人、一人ひとりにそんな付き合いを求めていては、キリがありません。
仕事の人間関係は、深く付き合えるかどうかよりも、長く円満に付き合えるかどうかの方が重要 なのです。
必要以上のことを相手に求めないようにしましょう。
そのスタンスは、貴方の心も、相手の心も守ります。

人付き合いは、数をこなせば慣れはしますが、好きになれるかどうかは別問題です。
突き詰め型人間は、大人になればなるほど、余り自分を開示しなくなる傾向があるのではないでしょうか。
独特の思考を持ち、周囲の人と考えていることが違うことが多いため、正直なところ、人と話していると疲れてしまうのです。
それは悪いことではありません。
もっとオープンになれとか、口にすれば夢は実現するなどと言われても、言いたくないことは言わなくて良いので、やんわり流してください。
誰にでも人に言いたくないことはあると思いますが、突き詰め型人間の場合は、その割合が高いというだけです。
仕事は仕事として割り切って、柔和に人と接しつつ、自分の中に広がっている独自の世界観を大切にしてください。
そこから生み出される宝物を、私は知っています。

 

総括:突き詰め型人間はPCに似ていると思う

  • エンターキーを押すと何が何でも最速で結果を出そうとする
  • プログラミングに従って行動する
  • 1か所でもプログラミングに間違いがあるとそこでつまづいて稼働しない
  • 1か0で答えを出したい
  • 感情に訴えても融通が利かない
  • 負荷がかかり過ぎるとフリーズする
  • テーマを深堀りしていくネット検索の構造と親和性が高い
 

突き詰め型人間のビジネスコミュニケーションにおけるテクニックのポイント

  • 目の前のことに集中しやすい自分の性質を自覚して、意識的に周囲の状況を見るようにしましょう。
    これだけでだいぶ変わります。

    ●目の前の仕事(個人)というよりは目の前の職場(チーム)に集中する

    ●自分は全体の中の一つのパートを担当しているという意識をしてみる

  • 目の前の作業に集中することを短いインターバルで切り替えることで、平行作業(マルチタスク)と似たようなことができるようになります。
  • 仕事は興味関心の高さではなく、入ってきた順番に片付けるようにしましょう。
  • わからないことはそのままにせず、理解する努力をしましょう。
    文章や図を用いて整理し、概念の構造を可視化すると理解しやすいです。
  • 自分の論理や都合を人に押し付けないようにしましょう。
    人と共有しているスケジュールは厳守しましょう。
  • 爽やかな挨拶や柔和な態度、最低限の時事情報の把握は、外出するときは服を着て髪を整えるのと同じようなものだと考えましょう。
  • 言葉を発するときは、その必要性を一考しましょう。
    また、人に何かを伝えたいときは、相手に伝わりやすい言い方を考慮しましょう。
  • 仕事の人間関係にのめり込み過ぎず、適切な心の距離を保てるように意識しましょう。
  • コミュニケーションテクニックの本質は人への優しさです。
    人の価値観も自分の内的世界も、それぞれ大切にしましょう。

仕事の優先順位

  1. ミスやトラブルの対応
    (内容にもよります)
  2. 事前に決まっていた予定
    (アポやミーティング)
  3. 当日中に終わらせなければならない仕事
  4. 電話対応、困っている人のサポートなど
  5. 先に入ってきた仕事
  6. 新しく入ってきた仕事
 

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カギ
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