転職活動における採用面接で好印象を与えるためには、志望動機や自己PRといった話の内容が重要なのはもちろんのこと、それを相手に伝えるためのメディアとなる、見た目の印象を良くすることは大変重要です。
ビジネスマンとして望ましい外見とは、「爽やかで礼儀正しく、信頼感のある印象」を与えられる見た目です。
こういった印象を増していくことで、話の内容に説得力を与えることができます。
外見の印象を変えることは、一朝一夕では難しいものがあるため、普段から心がけてブラッシュアップしていく必要があります。
そのために今日からすぐにでも取り組める具体的な方法を、以下にてわかりやすくご説明します。
転職活動で印象をアップさせるための3つのポイント
外見の印象を左右するポイントは、大まかに分けて3つあります。
- 話し方
- 姿勢・所作
- 服装・ヘアメイク
①信頼を得られる話し方
話し方は、人の印象を非常に大きく左右します。
話し方を変えるだけで、別人のように見違えると言っても、過言ではありません。
ぜひ、以下の方法に取り組んでみてください。
腹式呼吸をマスターしてハリのある声を手に入れる
腹式呼吸をマスターすると、大きな声を出そうと喉に力を入れなくても、ハリのある声がラクに出せるようになります。
腹式呼吸の基本
- 腹筋と背筋を緩めて横隔膜を下げ、空気を吸う
- 腹筋と背筋を使って横隔膜を上げ、息を吐く
腹式呼吸による発声の練習法
- 上記の方法による腹式呼吸で
「あ・え・い・う・え・お・あ・お」を以降か行〜わ行まで順番に発声していく。 - 横隔膜の上下は1文字につき1セットずつ行う。
- 発声しながら自分のお腹と背中に手を当てて、筋肉が動いていることを確認する。
小さな声で自信無さげに話をすると、話の内容がどれだけ素晴らしくても、説得力に欠けてしまいます。
せっかくの良い話を存分に魅力的に見せられるよう、お腹から声を出すことを習慣にしましょう。
伝わりやすく話すための工夫をする
主に以下のような点を心がけて、わかりやすく伝わりやすい話し方をするよう心がけましょう。
- 口角を上げて明るく柔らかい声色を保つ
- 語尾を伸ばさない
- きちんと間を取る
- 数字や固有名詞といった強調すべきワードは、ゆっくりはっきりと強調する
- 鼻濁音(※注①)、母音の無声化(※注②)を意識する
●鼻濁音とは(※注①)
鼻から息を通して発声するガ行の子音。
「んが」「んぎ」「んぐ」「んげ」「んご」のこと。
文中のガ行に鼻濁音を適用することによって、ソフトで耳触りの良い印象になる。
文頭に来るガ行には用いない。
●母音の無声化とは(※注②)
母音を発声せず子音のみを発声すること。
滑らかな印象になる。
無声子音は「か行・さ行・た行・は行・ぱ行」であり、以下の場合に母音が無声化する。
- 母音「い」「う」が無声子音に挟まれた場合
【例】「喫茶店」「主観」「光」 - 無声子音に続く「い」「う」がセンテンスの最後に来た場合
【例】「~ます。」
ポイントは、焦らずに落ち着いて、明瞭かつ柔らかく話すことです。
最も信頼感を醸し出せる話し方です。
それではテンポが良くない、持ち時間が足りなくなってしまうと思う場合は、余計なワードが多いのではないでしょうか。
要点を押さえて、必要なことを端的に話す習慣をつけましょう。
アナウンサーの話し方を参考にすることは、非常にお勧めです。
ニュース原稿を用意して、アナウンサーの話し方を模倣して読んでみるのも良いでしょう。
独学で腹式呼吸や活舌の良い話し方の練習をすることが難しければ、プロによる指導を受けることもお勧めです。
一度身に付ければ一生もののスキルになりますので、ぜひ取り組んでみてください。
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ポジティブな言葉と表情を心がける
柔和な表情を保ち、明るくポジティブな言葉を選んで用いるようにしましょう。
相手のことも自分のことも、物事を肯定的に捉える態度は、人に好感を与えます。
始めのうちは意識しないと表情を保てないかも知れませんが、慣れれば自然と定着していきます。
そのため、できる限り常に表情作りを意識して生活することをお勧めします。
プライベートでも、明るく穏やかな表情で居ることは、決してマイナスにはならないことと思います。
誰でも、暗く硬い面持ちでネガティブなことを言う人間と、積極的に仕事をしたいとは思えません。
相手を立てたいばかりに「自分なんて…」「弊社なんて…」といった卑屈な態度は取り過ぎないようにしましょう。
また、自社を良く見せようと、他社や第三者のことを悪く言ってはいけません。
信用を得るには、あくまで矜持を持って、誠実な態度を取ることが大切です。
相手の話は全身で聞く
話し上手は聞き上手です。
相手の話を尊重する態度は、話し方の技術においてとても重要な要素です。
相手が話している際には、以下のような態度で、話を聞いていることをしっかりと全身で表しましょう。
- 体ごと相手の方へ向ける
- うなづく動作をする
- 随所で「はい」「ええ」といった相槌を打つ
- 相手の目を見たり関係書類に目を落としたりして、目線で関心を伝える
- 最後まできちんと相手の話を聞く(相手が話している途中で口を挟まないようにしましょう)
②爽やかで快活な印象を与える姿勢と所作
シャキッと伸びた背筋や颯爽とした歩き方は、それだけでキビキビとした仕事のできる印象を与えます。
無意識のうちに怠惰な印象を与えてしまっていないか、今一度ご自身の所作をチェックしてみましょう。
背筋を伸ばすだけで格段に印象が変わる
頭の頂点を天井から糸で引っ張られているようなイメージをすると、スッと背筋が伸びると思います。
これだけでもだいぶ印象が変わります。
現代人はノートPCやスマートフォンを多用するため、肩甲骨が開いた「巻き込み肩」が常態化していることが多いです。
そのため、ストレッチで肩甲骨の周りを定期的にほぐしたり、正しい姿勢を保つための機能的なイスやクッションを活用するのも一つです。
また、ノートPC用のスタンドを使用して目線を上げることもお勧めです。
意識的に背筋を伸ばすことを心がけましょう。
椅子にかけるときは、手を膝の方に置くと猫背になってしまうので、太ももの中程に置くと良いでしょう。
颯爽とした歩き方を身につける
背筋を伸ばして颯爽と歩くだけで、自信に満ちて快活そうな印象を与えることができます。
歩き方というのは大きく印象を左右する重要な部分なのですが、意外と盲点となっています。
服装やヘアメイクがきちんとしていても、猫背で顎が出ていたり、ペタペタと音を鳴らしたり、引きずるような歩き方をしてしまうと、せっかくの印象を損なってしまいます。
以下のような歩き方が基本です。
ぜひ参考にしてみてください。
- 肩甲骨を閉じて胸を開き、背筋を伸ばす
- つま先を軽く逆ハの字に向けて立つ
- 骨盤を正面に向けたまま安定させる
- (女性の場合)足を前に出す際には、膝の内側同士を軽く触れさせる
- かかとから着地し、親指の付け根で地面を押す
- 体重を移動をさせるまでは、次の足を出さない
- 腕は前より、後ろに振ることを意識する
自らの歩き方を客観的に見るのは難しい部分もあるため、プロからウォーキングの指導を受けるのも一つの方法です。
スマートな動作は知的で信頼できそうな印象を与える
落ち着いていて無駄のないスマートな所作は、相手に知的な印象を与えることができます。
逆に、慌てたりモタモタしてしまうと、少々頼りなげな印象を与えてしまいます。
場数を踏むことで慣れていきますので、繰り返し練習しましょう。
ドアの開閉
- ノックは3回行います。
- 入室するときは「失礼いたします」と声がけします。
- ドアは後ろ手に閉めないようにしましょう。
お辞儀
- 話しながらではなく、話し終わってから行います。
- 首を曲げずに、腰から上体を曲げます。
- お礼のお辞儀は、会釈より深め・長めにしっかりと行います。
名刺交換
- 自分の名刺を相手の方へ向けて右手に、名刺入れは左手に持ちます。
- 相手より先に自社名と自分の名前をお伝えします。
- 相手の名刺の下側から自分の名刺を差し出します。
- 名刺入れの上に乗せるようにして左手で相手の名刺を受け取ります。
- 着席後は、相手の名刺を自分の名刺入れの上に置いておきます。
バッグからの書類の出し入れ
- スッと抜き出したり仕舞ったりできるように、バッグ内に書類の収納スペースを確保しておきましょう。
- 書類が折れ曲がらないように、A4サイズのファイルやボードなど、固い板状のものを隣に入れておくと良いです。
その他ワンポイント
- ものや書類の受け渡しをする際には、必ず両手を添えて相手にお渡し、もしくは受け取ります。
- 手の動作で何かを示す場合、指を差さずに、指を揃えて手のひらと4本の指全体で指し示すようにしましょう。
③明るさと清潔感を与えられる服装とヘアメイク
日頃の手入れや習慣が、最終的に、全体の印象を大きく左右します。
容姿は後天的に作れる要素の方が多いので、ぜひ以下の内容に取り組んでみてください。
服装や髪色、化粧品を選ぶ際にはパーソナルカラーを重視する
明るく爽やかな印象を目指すために、最も重要だと言える要素は、ファッションとヘアメイクの「色」選びです。
人それぞれ、男女問わず、その人を最も綺麗に見せる色が存在します。
それは「パーソナルカラー」と呼ばれ、肌や瞳の色に基づいて個々のパーソナルカラーを見極めることを「パーソナルカラー診断」といいます。
パーソナルカラーは、その人が持っている肌と瞳の色を引き立てて、美しく見せます。
逆に、パーソナルカラーとは異なる色を身につけると、顔色がくすんで、老けがちな印象を与えてしまいます。
「スーツや髪の色はやはり黒が無難でしょうか?」「色を使ったメイクをすると派手に見えてしまい、ナチュラルメイクを心がけると顔色が悪く見える気がします…」といった相談をお受けすることがありますが、ご自身のパーソナルカラーに沿った色味を活用することで、シックでも野暮ったくならず、上品で美しく仕上げることができます。
最も一般的で簡易なパーソナルカラー診断として、傾向別に4つのシーズンに大別するという方法があります。
●パーソナルカラーの基本4タイプ
パーソナルカラータイプ | 似合う色味 |
---|---|
スプリングタイプ (イエローベース) |
イエロー系の明るい色味、ベージュが似合う |
サマータイプ (ブルーベース) |
ブルー系のソフトな色味、グレーが似合う |
オータムタイプ (イエローベース) |
イエロー系のシックな色味、ブラウンが似合う |
ウィンタータイプ (ブルーベース) |
ブルー系のはっきりした色味、モノトーンが似合う |
自分がどのタイプに属するかは、以下の方法で判断ができます。
(複数のタイプにまたがって属している場合もあります)
- 自分で色見本を顔の下に合わせて印象を比較してみる
- どの色が似合うか人の意見を聞いてみる
- カラーコーディネーターなどの専門家に診断してもらう
つまり、スーツの色味に関して真っ黒が似合うのは、パーソナルカラーがウィンターの方です。
そのため、ウィンター以外の方が黒系のスーツを着たければ、真っ黒ではなくグレーやネイビーのニュアンスを加えるといった工夫をした方が明るく見えますので、ぜひ試してみてください。
革製の小物を複数身につける場合は、色味を統一するときちんと落ち着いた印象になります。
貴金属も同様です。
特に男性の場合、ベルト・靴・バッグの色は合わせるのが基本です。
また、靴下の色は白ではなく、スーツと同系色のダークカラーを選びましょう。
スプリング・オータムタイプの方はブラウンやイエロー系のニュアンスを用いて、サマー・ウィンタータイプの方はモノトーンやシルバーを基調とすると良いでしょう。
衣服、革製品、髪・爪・肌の手入れは小まめに行う
清潔感を保つために、最低限押さえておくべきポイントを列挙します。
忙しいとおざなりにしてしまいがちですが、以下の部分は特に目立ちます。
放っておくとイメージを損なってしまいますので、習慣的にお手入れを行いましょう。
- 衣服のシワ、糸くずや毛玉、ボタンの脱落
- ジャケットやシャツの首回りと袖口の汚れ
- 靴・バッグ・ベルト・名刺入れなどの革製品の劣化や汚れ
- 伸ばしっぱなしの髪(髪の毛が顔周りにかかりすぎないようにしましょう)
- 髪や肌のパサつき・ベタつき
- 爪の伸びすぎ、割れ、汚れ
ものを選ぶときは値段よりも質を重視する
社会人はそれなりのバッグと靴を一揃え用意すべきだと言われますし、確かにその通りだと思います。
とはいえ、高価なものかどうかというよりは、あくまで良質なものかどうかを基準にして選びましょう。
ブランドものでなくとも、素材や縫製の質が良い衣類や服飾品を身に着けることで、全体として上質に見えます。
そしてきちんとお手入れして、常に清潔な状態を保ちましょう。
また、身につけるものだけでなく、食事や日用品、家具などに至るまで、値段ではなく「質」を基準に選ぶようにしましょう。
それは次第に肌や髪のツヤ、体型、全身の清潔感に現れてきます。
そのような質感を付け焼き刃で変えることは難しいため、常日頃から心がけるようにしましょう。
※話し方のスキルアップについては、以下の記事もぜひご参照ください。 面接を制する者は転職活動を制する、と言っても過言ではないでしょう。 しかしながら、「突き詰め型人間」の方やコミュニケーションに苦手意識のある方は、採用面接に気後れしてしまうこともあるかも知れません。 ...
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